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JUGEMテーマ:健康のためにやっていること
「秋ナスは嫁に食わすな」という言い伝えがあります。
これは、様々ある解釈のひとつに、大事な嫁が旬の美味しい秋ナスを食べ過ぎて
体を冷やしてしまう事を気遣った意味もあるそうですが
果たしてナスは、焼いても煮ても体を冷やすのでしょうか。
東洋医学の見方でのお腹を冷やさないという意味は
冷たいものを控え、温かいものを飲めばいいと言うだけではありません。
食べ物の性質には、その物自体が体を冷やすものや温めるものがありますが
その違いは「腸内細菌の発酵」にあるのです。
漢方の用語では、発酵を促進するものを「温性食品」と呼び
発酵を阻害するものを「寒性食品」と呼んでいます。
同じ素材のものでも、加工の方法によって性質が変化することがあります。
(下図: 食品の性質)
【例えば: コーヒーやお茶】
コーヒーを例に挙げるなら、豆をローストしてすぐのものは温性で
インスタントコーヒーのようなものは寒性になります。
そのため、インスタントコーヒーをホットで飲んでもお腹は冷えます。
また、コーヒーと洋菓子などを一緒に食べると更に冷え
お腹の発酵が抑えられてしまいます。
お茶も、緑茶と抹茶はお腹を冷やし
発酵させた紅茶、ほうじ茶、番茶はお腹を冷やしません。
コーヒーや緑茶の出がらしをすぐに捨てず放置していると
白いカビが生えたり、開封して飲まずに放置していた
インスタントコーヒーの瓶の中で
青カビが生えていたなど、経験のある方も居ると思います。
カビ
このようなことは、私達の腸の中でも同じで「カビの生えやすい環境」が出来ます。
腸の中はカビも酵母も、お互いに競い合って生存競争をしていますが
酵母が優勢な時は、乳酸菌や納豆菌などが発酵を促進し
カビが優勢な時は発酵が抑えられます。
それならば「コーヒーや緑茶、抹茶を飲まない方が良いのでは?」と
考える方も居ますが、そんなことではありません。
日中は消化液の分泌が良いため、消化管にカビが入ることはまずありませんが
寝ている時間には消化液の分泌も弱くなり、カビが生えやすくなります。
コーヒーや緑茶、抹茶の良さもあるので、冷えが気になる場合は
午前中や日中の早い時間に飲むようにすれば良いでしょう。
また日没後に飲む場合は、紅茶やほうじ茶・番茶のような
発酵させてある物に変えれば良いと思います。
【温める食品を使う時の注意】
体を温めるものでも、時期や分量が大切です。唐辛子を例にしてみます。
辛いものは、薬味程度に少しだけ食べると体が温まりますが
たくさん食べると 額に汗をかくようになります。
汗をかいているため、体を温めたように思われがちですが
それは体を温めている訳ではなく、逆に体温を下げるために汗をかいているのです。
現に、辛いものは暑い国の食べ物で
これは発汗を促して体温を維持するためにあります。
冬場に辛い物を食べ過ぎると発汗し、汗が蒸発する時の気化熱で体温が下がります。
冷え性の場合は、もっと冷え性になるので辛い食べ物は食べ過ぎない事が大切です。
また、冬になると「生姜紅茶」を飲む方が多くなり体が温まると言われます。
使用するなら蒸した生姜を使いましょう。
生姜の成分は加熱することで体を温める成分になります。
生姜は、加工の仕方によって「生薬」としての用途が決まります。
体を温めるのにいい生姜は、飲んだ時に鼻の裏辺りが熱くなるが汗は掻かない。
飲んで、のぼせたり発汗したりするものは、温めるのには向かないのです。
(下図: 金時生姜 )
生姜が同じ品種で、同じ加工の仕方でも
「生姜の産地」で効果が変わる場合もあります。
金時生姜がそれにあたり、国内産のものは体を温めますが
ベトナム産など暑い所で栽培されたものだと
その効果が発汗メインになる事があります。
体を温めるはずのものが、冷やしてしまう事にも成り兼ねませんが
これは自分の体で効き目を鑑定するしかありません。
(下図: イワシの刺身だけに生姜が載っている様子)
お寿司屋さんなどで食事をすると、いわしを生で食べる時は
生の生姜をすりおろしたものが出てきますが
お寿司を食べる時は、ガリ(生姜の調味酢漬)を食べます。
生の生姜には抗菌力があり、すりおろして使う時は、アニサキス対策など抗菌目的。
生魚は腸の発酵より腐敗が優勢で冷えにつながりますが
ガリのように生姜を「蒸して甘酢に漬けたもの」は、体を温める性質があります。
生姜を寿司に使う時の使い方を参考にすると良いでしょう。